story/ 結婚式はカレーだったもともと結婚式はしなくてもいいかなと思っていた。自分たちのためにわざわざ人を呼んだり、ご祝儀をもらうのもなぁとぐむぐむしていたときにカレーできるなら結婚式してもいいかもとひらめいた。「カレーつくれるならやってもいい気がする」「なぜカレー」「こう、なんというか、 一緒にカレーつくったら仲良くなるじゃん」「うん」「そういうことだよ」「なるほどわからん」2016.02.20 14:46
花とカレーはじめます「足るを知るについてなのですが」「はい」「人のつながりというか、 人との関係が満たされることで 実はほとんど幸せになると思っていてですね」「ふむ」「それ以外は実はあまり要らないんじゃないかなと」「うん」「つまり、誰かとのつながり(リレーション)がとっても大事で、 そのためにカレーがいいと思うわけ」「カレー」「カレーみんな好きじゃん そしてなんと、カレー食べて話してたら仲良くなる」「わかる」「あたりまえの毎日とか、瞬間というか。 いま、大切なものはちゃんとある気がするのね」「なかったら、カレー食べにきたらいいね」「そうそう」「さらに、お花を持って帰れるとかどうだろう。 お花があるだけで、あたりまえの瞬間が大切になるよ」「なにそれめちゃいい」2016.02.14 11:10
連載カレー/ たとえば「たとえば」「ふむ」「初チューの味がカレー」「それはやばい」そんなこと言いながら、わけがわからないほど笑えるところとか、試してみようなんて言わないけれど、夜にカレーだしてくるところとか、ほんと好き。――――――――――――――――【連載カレーとは】カレーが1ミリでも入っていればなんとかなる的なショートストーリーいい大人が妄想してすみません2016.02.14 11:10
連載カレー/ だめだ、もう、口のなか、鉄の味してきただめだ、もう、口のなか、鉄の味してきた。両腕のそと側、栄養が、ぜんぶとんでふるえてる。にしても、なんで俺こんな、走ってん、だろう。「だって私に勝てるところ、ないでしょ」「いや、ばか。おまえばか」「あるに決まってんだろ」「たとえば」「体力とか」「タイリョク」 あーもう、 すっげー思い出してきた。あの笑いかた。「じゃあ学校一周とかいいじゃん。私が勝つけど」「わかった、とりあえず着替えて北門な」「え、いまから?」「一秒でも早くおまえを見下したいの。俺は」よっつめの、カーブ。一塁を蹴るような、ターン。だめだ、昼に食った、カレー、出てきた。鉄カレー味。最後の最後で、この坂かよ。誰だ、コース決めたのは。俺か。あと一歩、こいつ、より、前に、出れば、手ぇ、つなげたり、あれ、なんで、こんなこと、いま。「あああああっ」ひろげた手足が、汗と一緒にアスファルトで焼けていく。とまらずにしたたるその雫のように、こぼれる。「息あがってるよ」見上げた顔は、逆光のせいで白い歯しか見えなくて、笑えた。――――――――――――――――【連載カレーとは】カレーが1ミリでも入っていればなんとかなる的なショートストーリーいい大人が妄想してすみません2016.02.14 11:06