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連載カレー/ だめだ、もう、口のなか、鉄の味してきた

だめだ、もう、口のなか、鉄の味してきた。両腕のそと側、栄養が、ぜんぶとんでふるえてる。にしても、なんで俺こんな、走ってん、だろう。「だって私に勝てるところ、ないでしょ」「いや、ばか。おまえばか」「あるに決まってんだろ」「たとえば」「体力とか」「タイリョク」 あーもう、 すっげー思い出してきた。あの笑いかた。「じゃあ学校一周とかいいじゃん。私が勝つけど」「わかった、とりあえず着替えて北門な」「え、いまから?」「一秒でも早くおまえを見下したいの。俺は」よっつめの、カーブ。一塁を蹴るような、ターン。だめだ、昼に食った、カレー、出てきた。鉄カレー味。最後の最後で、この坂かよ。誰だ、コース決めたのは。俺か。あと一歩、こいつ、より、前に、出れば、手ぇ、つなげたり、あれ、なんで、こんなこと、いま。「あああああっ」ひろげた手足が、汗と一緒にアスファルトで焼けていく。とまらずにしたたるその雫のように、こぼれる。「息あがってるよ」見上げた顔は、逆光のせいで白い歯しか見えなくて、笑えた。――――――――――――――――【連載カレーとは】カレーが1ミリでも入っていればなんとかなる的なショートストーリーいい大人が妄想してすみません